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今月は、秋だけに大豊作。
ずっと待ってた作品が立て続けに発行されたので
本屋さんに行くのが楽しかった。読書にもいい季節だし。

■市川春子『25時のバカンス』 講談社
前作『虫と歌』から約2年。市川春子作品集(2)が刊行。
今回の装丁も、作者自身の手によるもので、色合いやら
構図やら配置やらが美しくて見惚れる。中身は三編収録。
表題作「25時のバカンス」は、深海と贖罪がテーマ。
キモくて愛らしい深海生物を媒介に、姉と弟の関係性が
深化する。前作は「日下兄妹」や「虫と歌」、「星の恋人」
と、実に収録作4編中3編が擬似兄弟モノだったんだけど
今回は実の姉弟。ただし、姉は途中から違う「モノ」に
なってしまうのだが…。感情表現は下手なのに、愛情濃い
姉の控えめな優しさが胸にくる。その愛が人間だけでなく
人ならざるモノにも注がれるのが、この作者らしさ。
一転、「パンドラにて」は冷徹な兄と屈折した妹の話。
ここでは人から異形のものではなく、異形のものから人への
あたたかい視線が切ない。救ってあげようと願っていたのは
お互いだった。そして最後に現れる生物は、あまりに
アバンギャルドな姿なので、一見何が起こっているか把握
しにくいかもしれないが、人よりはるかにまともな心を
持っていたのは彼(彼女?)の方だったという。
最後の一編「月の葬式」も擬似兄弟もの。雪国で療養している
青年と、頭が良すぎるゆえ将来に絶望した少年。ふたりの
邂逅から、未知の世界が開く。青年の謎が明らかになった時の
内容と絵柄のインパクトが凄くて、ちょっと目が眩む。
ややグロいんだけど、儚くて美しくて少し未来に光が見えた
最後の流れは秀逸。雪景色も、予想通り静かで綺麗だった。

どの話も、ほどよくドライで、ユーモアがあって、一度は
ハッとさせられる驚き(センス・オブ・ワンダー)もあって。
その底には、決して見返りを求めない愛情が流れている。
現状、ほぼ完璧に近い作品群&作家さんです。これからも
新しい作品が生み出されると想像するだけで幸せ。
■沙村広明『ハルシオン・ランチ』2巻 講談社
オールラウンド目刳www くだらなすぎて声も出ねえ(笑)。
2巻が最終巻なんだけど、最後の最後まで吐瀉物オチ。
心底脱力できる作品でした。読み終わった後、心に
何一つ残りませんが、清清しい気持ちになったのも事実。
沙村先生には何年かに一度でいいので、こういう
クソ益体もないものを描き続けてほしいと願います。

■冲方丁・作/槇えびし・画『天地明察』1巻 講談社
冲方丁原作の小説を漫画化。小説のコミカライズって
つまらなくはないけど、原作ほど面白くもない無難な
ものになりがちな気がするが、これは好みの出来栄え。
一見地味に見える作風が世界観に合ってて、心地よい
空気感を生み出している。物腰柔らかくて、気は少し
弱いものの、胸に熱いものを秘めた主人公の造形もいい。

■ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』17巻 講談社
半分以上のページ使ってライバル校の試合をがっつり
描き込むという(笑)。相変わらず野球愛に満ち溢れた
作品ですが、主人公たちの高校三年間描こうと思ったら
何年かかるんだろう。まだ休載したままだしなあ。
と思ったら、11月発売のアフタ1月号から連載再開とか。
18巻も11月発売予定みたいだし、ようやく諸々再始動。

■西原理恵子『毎日かあさん8 いがいが反抗期編』毎日新聞社
反抗期編と銘打ってるものの、まだまだ子供らしさが残る
展開。ただ、漫画を通して見てるだけで、実際はどんな風か
分かりようがないけれど、なぜかサイバラさんちなら
いい感じなんだろうと思ってしまえる安定感。家庭内為替
格差のとこは笑った。あと、自然保護動物観察員ハンパない。












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