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kuro score >>> cross core !!!

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第141回芥川賞受賞作。
久しぶりに内容と売行き両方が伴ってるとかいう話を聞いたので
購入&読了。何というか、なかなかイカれた作品。個人的にも
結構好き。こういうのが、さらっと受賞するのは良いね。
内容を一言でまとめると、30歳過ぎで結婚した夫婦生活を
夫の圧倒的主観でたどってゆく。読んでて最初に思い浮かんだのが
江川達也の『東京大学物語』。あんな感じで、主人公は妄想としか
思えないような妻への思い込みを延々蛇行しながら語り続ける。
妻が喋るシーンがほとんどなく、黙り込んだ彼女の思考を勝手に
想像・解釈しては、焦り、慄き、妄想を加速する。本人はいたって
真面目だが、傍から見てるとボケやノリツッコミにしか見えないという。

また、時間の飛ばし方が容赦なく、妻と会話したのが十一年後だったり
要するに五十歳だったりする。こういうのを、笑わせようと書くのでなく
淡々と真顔で進行させるので、こっちも大真面目に読みながら「へーへー
なるほど…って、何でやねん!」とオーソドックスに突っ込んでみたり
できる訳です。すばらしいっすね。これは芸です。こんなんばっかり
書き続けるなら、ついて行こうかと思いましたが、流石にやんないだろな。

■磯崎憲一郎『終の住処』新潮社












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