
『ゆれる』の西川美和監督による長編3作目。
僻地の小さな村で、村人から慕われていた医師が
ある日、突然姿を消す。当初、他愛のない失踪事件と
思われたが、調べていくうちに彼のついたいろんな嘘が
明るみに出てくることに。棚田のある美しい農村を舞台に
一人の男の薄っぺらくも“意味”のある人生が描かれる。
個人的に、2006年に見た映画の中で『ゆれる』がベスト1
だったわけだが、かなり心にずっしりくる作品で、あまり
見返せずにいる。が、今作はあれほど重くなく、いい意味で
軽い。たぶん、それは主演・笑福亭鶴瓶の持つ資質による
ところが大きい気がする。テレビでいつも見せる朗らかで
飄々としたキャラクター。その一方で、目だけは笑ってない
と揶揄される部分も含め、ひとクセもふたクセもある役柄と
うまくリンクさせている。もちろん、素で役になりきっている
わけじゃなく、きちんと計算した上で、かつ一見簡単なように
演じてみせるのが本当に凄いところなんだろう。この主人公が
表には決して見せない悲壮な表情、姿。それが、あるきっかけで
じわじわと漏れ出す瞬間、紙一重のバランスで築き上げてきた
嘘の世界は終わる。終盤、観念とも安堵とも取れる複雑な表情で
去っていったように見せかけて、最後の最後でもう一度、茶目っ気
たっぷりの顔で再び現れた時、心がふわっと緩むと同時に、微かな
苛立ちを覚えるのは自分だけだろうか。それは、テレビで素の彼が
話を延々と脱線させたり、ネタが受けて必要以上に喜んでいるのを
見る時と同じ感覚なのだが。
だったわけだが、かなり心にずっしりくる作品で、あまり
見返せずにいる。が、今作はあれほど重くなく、いい意味で
軽い。たぶん、それは主演・笑福亭鶴瓶の持つ資質による
ところが大きい気がする。テレビでいつも見せる朗らかで
飄々としたキャラクター。その一方で、目だけは笑ってない
と揶揄される部分も含め、ひとクセもふたクセもある役柄と
うまくリンクさせている。もちろん、素で役になりきっている
わけじゃなく、きちんと計算した上で、かつ一見簡単なように
演じてみせるのが本当に凄いところなんだろう。この主人公が
表には決して見せない悲壮な表情、姿。それが、あるきっかけで
じわじわと漏れ出す瞬間、紙一重のバランスで築き上げてきた
嘘の世界は終わる。終盤、観念とも安堵とも取れる複雑な表情で
去っていったように見せかけて、最後の最後でもう一度、茶目っ気
たっぷりの顔で再び現れた時、心がふわっと緩むと同時に、微かな
苛立ちを覚えるのは自分だけだろうか。それは、テレビで素の彼が
話を延々と脱線させたり、ネタが受けて必要以上に喜んでいるのを
見る時と同じ感覚なのだが。
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