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10年近く続いた『蟲師』が、10巻で完結。
最後まで一貫して、淡々としながらも心にゆっくり
のしかかってくる「重さ」を持った物語だった。
根底にあるのは、日本に昔から根づいていた自然崇拝。
本来、人の力では御しきれない圧倒的な「力」を前に
いかに逆らわず、折り合いをつけ、共存するか。
「蟲」という奇妙で不穏で、でもどこか愛らしい存在を
媒介に、人の生きる道を少しでも明るい方へ導いてくれる。
最終巻の中では「常の樹」が、一番好き。いる場所が
遠くても近くても、人であってもなくても、見返りを求めず
ただ見守ってくれる・ずっと気にしてくれる存在の尊さは、
なんかグッとくる。「草を踏む音」を読んだ時に近い感覚。
あと、最終話は正直、淡幽かトコヤミ関連で大仰に展開するかと
思いきや、びっくりするくらいいつも通り。テーマ的には
「やまねむる」でも行われたヌシの世代交代。それに蟲の宴や
光脈など、1巻を意識した味付け。構成要素を取り出してみると
ある意味、集大成的な内容と言えるかも。たぶん、いくらでも
ドラマチックに展開できた気はするけど、それより蟲師らしさを
重視した結果なのかな。まだまだ旅も人生も続くし、そんな
簡単に結論を求めるような作品じゃない。読んだ人の中で
ギンコも淡幽も生き続けるんだろう、ずっと。

思い返せば、アニメ版も異常な完成度で、思わず試写会まで
行っちゃったし、主題歌を歌ってたアリー・カーのライブも
見に行ったし、結構広範囲にわたってハマってた気がする。
だから、終わってしまうのは寂しいというより、まだ実感がない。
でも今後、春先の青々とした山や、雪深い景色を見るたびに
ふと思い出すと思う。自分にとっては、そんな作品。

■漆原友紀『蟲師』10巻 講談社












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