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kuro score >>> cross core !!!

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ユリイカにサイバラって。
たまに暴走(迷走?)するな、この雑誌。

西原さんとの(一方的な)出会いは話しだすと長くなるので
またいつか。今のところ(そして今後も?)個人的西原ベスト1
は『ぼくんち』なんだろうな。
この雑誌でも『ぼくんち』について論じてる文章が多かったので
読みながら、なぜ自分はこの話が、そして西原作品が好きなのか
つらつらと考えてみた。
キーワードは、こういちくんの「家族ってなんだろね」だ。
唐突だけど、物心ついてからずっとTVの『サザエさん』が
大キライだった。おっちょこちょいで気の強い姉、
優しく物わかりのいい義兄、厳格な父、穏やかな母、
そしてこまっしゃくれた妹弟。すべてが嘘臭い、というか
胡散臭い一家。唯一カツオだけ人間味を感じることができたけど、
他の面々は理想的な家族を演じているだけに見え、
薄気味悪く思っていた。なんて言えばいいんだろう。
“カツオのトゥルーマン・ショー”みたいな感じ。

もうひとつ、子どもの頃見ていた漫画に『あさりちゃん』
というのがある。喧嘩ばかりするあさり・タタミ姉妹を母が
力ずくで押さえるというか、虐待で収束させるという、
今思えばなかなかスリリングな話だった。ところが、これも
TVで映像化されると、原作では影の薄かった父親が突然
訓辞を一発垂れ、母子はしゅんと反省するという道徳的な内容に
改悪されてしまう。子ども心に「そりゃねえよ」と憤慨すらした。

どちらも「家族とはこういうものであらねばならない」という
制作者の思いが透けて見える。なおかつその「こういうもの」が
なんか納得できないものだったので、幼な心にも反発を覚えたんだろう。

そこで、ようやく西原漫画の話に戻るが、彼女の作品内において
家族と呼ばれるものは一見すると無茶苦茶だ。父親がいない、いても
家にお金を入れない。バクチ・暴力・酒・薬・女遊び。
子を捨てる母、殴られ続ける母、学校へ行かなくていい、むしろ
行くなと言う母。
捨てられる子、盗む子、殺し・殺される子。
みんなバラバラに見えるし、救いなんかない。
それでも。生を感じ、つられて笑い、泣いてしまうのはなぜか。

子を捨てまくった母の葬儀に、顔が似てる連中を全部集め
笑って送り出す子ども(既にジジババだが)たち。
罵り合い・殴り合いで団欒なんかとはほど遠いけど、
毎日必ずそろってご飯を食べる家族。
そしてなにより、顔も知らない父親が自分のために通帳を作って
くれていたことを知った子どもの顔。
そばにいなくても、心が通じ合わなくても、家族は家族。
どんな形であってもいい。

誰にも生まれつき、自分ではどうしようもないことがあるけど、
それを否定されたり、ましてや見なかったことにして
理想だけを押しつける人より、理解した上で受け入れたり、
一緒にあきらめたりしてくれる人の方がはるかに信用できるのは
当たり前のことだろう。

「家族ってなんだろね」という問いに自ら「わかり合えなくてもいい」
と答えたこういちくんの言葉は重いけど、嘘はない。
汚くて、乱暴で、無茶苦茶だけどあたたかく感じるのは、
底辺を見てきてもなお、そういう人たちを見捨てられなかった作者の
思いが滲み出ているからではないか。とか、エラそうに結んでみたり。

あと、本誌を読んで一番驚いたのと同時に納得したのが、銀玉親方が
“サンカ”だってこと。サイバラの言うことだから信憑性は微妙だけど。
サンカは乱暴に言うと、戸籍を持たず山なんかを移動しながら
狩猟・採集を生業として生活する人たちのこと。『蟲師』という漫画で
存在を知って、三角寛の本とかぱらぱら見たことあるけど、まだ
存在してるとは思わんかった。日本も、まだまだ広いね。

ま、そんなこんなで読み応えのある本でした。
適当なまとめでスマヌ。












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