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kuro score >>> cross core !!!

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前作にあたる『僕の小規模な失敗』の衝撃は大きかった。
内向的であることを自認している男子なら誰もが抱える
苦悩・煩悶・諦観を積み上げ、増幅し、てんこ盛りにして
目の前に突きつけられた感覚。思い出したくもない、
他人には口が裂けても言わなくていいような想いを
なんでこんなに執拗に描くかなあ、と読んでて
戸惑ったり、不安になったり。絵柄がソフトな分
踏み込みが強く、十代の頃読んでたら、作者に手紙の
一通や二通送ってた気がする。
そして、舞台を講談社の『モーニング』に移し
『失敗』以降の生活を描いたのが本作。
作画にこなれてきたのか、編集部の意向かは知らないが
絵柄は前よりさらにポップに、コマ割も大きく読みやすい。
内容も、前作にあった人生の先の見えなさ、無常観に
比べると、多少地に足が着いてて、全体的にマイルド。
とは言え、編集部とのやりとりを極微細に、自分の
身も蓋もない感情を織り交ぜてぶっちゃけてるところは
相変わらず。しかもこれ、悪意なく、天然で
やってるっぽいから、逆にタチが悪いというか。

ただ、前作との一番の違いはやっぱり妻ができたこと。
前作では将来に悩み、人間関係に疲れて泥沼に沈んだら
浮かぶことなく、どんどん深い底に潜っていく感じだったのに
今作では、ひとたび妻が画面に出れば回復しているように見える。
正直、たった一人そばにいてくれる人がいるだけで
こうも違うかというくらい、全体のトーンが異なる。
結局、人はひとりでは生きていけないのか。
読後、自分の現実を振り返ってうんざりする今日この頃。

ちなみに、カバー外したら、裏表紙に編集者らしき人の
後ろ姿が。前から、漫画のスタイルが近年の桜玉吉に近いと
思ってたけど、こんなとこまで似てるような。
どうか、離婚したり、精神的に病みすぎませんように。

■福満しげゆき『僕の小規模な生活』1巻 講談社
■福満しげゆき『僕の小規模な失敗』青林工藝舎
■福満しげゆき『まだ旅立ってもいないのに』青林工藝舎












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