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この前の沖縄旅を契機に入手。
沖縄が舞台と聞いてたから買ったのに、沖縄で読み終わった
上巻では、まだ沖縄に行く前までしか話が進まず。
帰ってきてから手を出した下巻は、無理矢理雰囲気を出すため
泡盛片手に読み進めた。ゆえに、内容はあまり頭に入らないかと
思いきや、下巻が滅法面白くて、結構夢中で読んだ。
元過激派で、傍若無人自己中心天上天下唯我独尊な父を持つ
小学生男子が主人公。上巻の舞台である東京では、その父に
振り回され、不良に追い込まれ、踏んだり蹴ったりなまま
閉塞感ばかりが増してゆく。読んでて、都会の不良は
こんなに厄介なのか、と凹んでみたり。田舎育ちで良かった。
そんな日々の中でも、自分なりに微かな幸せを見出そうとし、
年齢に比べて大人びる、というかジジくさくなりかけた時
一大転機が訪れる。ある大きな事件により、一家は
父の先祖が住んでいたという西表島へ移住することに。
ここから下巻が始まる訳だが、上巻で積もり積もった
鬱積・鬱憤が、ここで一気に吹き飛ばされる。
嫌なことも忘れられそうな自然の美しさに、島の人たちの
人間らしい温かさ。そして何より、東京ではただの厄介者
でしかなかった父の、息を吹き返したようなカッコよさ。
相も変わらず我が道を爆走するけれど、島の雰囲気の中だと
なぜか英雄のように見えてくるから不思議。
主人公やまわりの人間同様、父の姿に魅入られたまま
最後まで一気に読み終えた。南の島には、豪傑がよく似合う。

■奥田英朗『サウスバウンド』上・下巻 角川文庫












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