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エロマンガ島に行って、エロ漫画を読もう。
バカみたいな実話をもとにした短編集。
もちろん、ストーリー自体はフィクション。
ちなみに、エロマンガ島はオーストラリア北東、
バヌアツ共和国に属する小島。
作者は、芥川賞作家(ついでに大江賞もとった)長嶋有。
別名、ブルボン小林。主人公(話のモデルも)が
ゲーム雑誌の編集者ということもあり、ブルボン領域の
細かいゲーム・アニメネタも挟まれる。と言っても
マニアックなネタをひけらかすというのではなく、
ファミコン世代の人間なら、かつて誰もが持った
ゲームへの感情、想いみたいなものをすくいとり
主人公の心情に重ね合わせてゆく。
話はエロマンガ島と、日本に残してきた恋人の視点が
交錯しながら進む。島の情景は、実話をもとにしている
だけあってリアルに描かれているが、そもそも
エロマンガ島自体が名前だけは有名でも、日本人からすれば
馴染みのない島なので、どこか非現実感が漂う。
エロマンガ島に行くのと、ロードス島に行くのでは
どちらがよりファンタジーなんだろう。

その島に登場するのは、旅に行った日本人三人と
現地の案内人の男性、そして彼の五人の娘たち。
現地の人たちはとても屈託なく、素朴で優しい。
それに対し、日本人側は、主人公とオタクと謎の男。
いつも思うが、この人が描く男性って、優しさと弱さが
紙一重で、冷めてるわけじゃないけど、根底にはどこか
諦めみたいなものが漂っている。でも実は、こういう
心の有り様はよく見知ったもので、自分にも思い当たる
節がある。作者と同世代の人間が共有する人生観、
一言で言えば、人生現状維持派。
いつか風穴が開けばいいな、と思っているが
決して自分で開けようとは思ってない感じ。
こういう人達が日本社会を担うようになる頃
日本は一体どうなっているんだろう、と
他人事のように思ってる俺も同罪。

■長嶋有『エロマンガ島の三人』エンターブレイン

こんにちは。同じ本の感想記事を
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2010.09.08 01:42 URL | 藍色 #- [ 編集 ]












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