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積読漫画雪崩式1911

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今月分は全4冊。
発売月に買い損ねてから、ずっと探し続けてた作品と
2カ月連続刊行で完結した作品を含んでおります。

■和山やま『夢中さ、きみに。』 KADOKAWA
8月の発売直後すぐ品薄状態が続き、どこの書店に
行っても見つけられなかった本作。先月くらいから
ようやくあちこちで見かけるようになり、やっと入手。

全8編のうち、前半は林、後半は二階堂という高校生
男子二人を主役に据えた連作短編集となっている。
林くんは掴みどころがなく、どこかとぼけた風合いを
醸し出す愛され(?)系主人公。といっても普通の作品なら
脇役とかモブになりそうな地味っぷり。でも、そこがいい。
彼がただ、ぼっちでお昼ごはん食べたり、ベランダで
干し芋作ったりしてる学生生活が淡々と描かれるんだけど
その中でゆっくり、じんわり、周囲の人と関わっていく様子が
妙に愛らしくて、思わず和んでしまう。林くん以外もみんな
マイペースに生きてるクラスの雰囲気もいい感じなんだよな。

一方、後半の二階堂くんは過去にいろいろあって、クラスで
孤立する立場を自ら求めるようになったネガティブ系。
そんな彼の存在が気になり始めた目高くんとの交流を主軸に
描かれるんだけど、こちらもホラーチックな出だしから一転
どこか可笑しくて優しい友情物語に変わっていく。林くん同様
なんかキャラクターがいちいち愛らしいのが作風なのかな。あと
友情といっても暑苦しさは一切なく、むしろ作品全体を通して
ひんやりと澄み切った空気感が流れているのが、心地よかった。
発売された8月より、冬を迎える今の季節にこそぴったりの一冊です。

■五十嵐大介『ディザインズ』4・5巻 講談社
10月~11月にかけ、2カ月連続で刊行され、そのまま
最終巻を迎えた近未来型ハードSF。これまで宇宙へも
視野を広げていたこともあって、どこまで話を
膨らませるんだろうと思ってたけど、意外と序盤の
因縁に収束されていくことに。最終的な構図は
深遠を知るオクダと、カエルのHAであり彼の“妹”
クーベルチュールvs.イルカのHAたち。HAの生みの親で
異次元の環世界を持つオクダの命を狙い、親殺しを
目論むイルカたちが目にしたものは―。ストーリーから
余分なものは削ぎ落とされ、たどり着いたのは
カエルとイルカ、それぞれが見る世界と、戦い。
1巻では一方的に倒されたクーベルチュールが
きっちり完勝したのはもちろん、その踊るように
戦う様が、美しくも異様なのが素晴らしかった。
イルカは消え、カエルはとどまり、オクダはつき進む。
この世界のお話は、ここから始まるとも言えるけど
一つの鮮やかな決着が見られて、すっきりしたよ。

■ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』32巻 講談社
ほぼ5巻にわたって繰り広げられた崎玉高校戦も
ついに決着。かつてコールド勝ちした相手に徹底的に
研究され苦戦した試合は、終盤に追いつくことで
ひっくり返せるかと思われたが、その幕切れは
あっけなく訪れるのだった。まだまだ未来がある
高校1年生のみのチーム構成が裏目に出た感はあるけど
その分、課題もよくわかる試合となった。そして
本作は試合シーンも面白いんだけど、幕間がさらに
面白いことを思い知った今巻。崎玉のメンバーも誘って
みんなでファミレスにお昼に行くという眩しい展開の中
濃い野球談議が交わされるのが、やたら楽しかった。
なかでも、密かにコンプレックスを持つ田島と、崎玉の
お父さん(笑)石浪との本音のぶつかり合いは思わず
ぐっときたなあ。そして、32巻にしてようやく1年目の
公式戦がすべて終了。正直、滅茶苦茶スローペースでは
あるけれど、何年かかっても3年の夏まで描き切ってほしい。

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