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kuro score >>> cross core !!!

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数年前に完結した五十嵐大介の長編『海獣の子供』が
アニメーション映画になって登場。広大で深遠な
海洋冒険譚が圧倒的な映像を伴ってスクリーンに蘇る。
海辺の町で暮らす少女・琉花は、なんでもできそうな
予感を抱えて、夏休みの初日を迎える。だが現実は
部活の最中に仲間とトラブルを起こし、孤立することに。
行く当てをなくし、父親が働く水族館へひとり向かった
彼女は、そこで不思議な魅力を持つ少年“海”と出会う。

ということで、予告篇の映像を見て期待が上がりまくった
状態で見に行ったら、ちょっと思ってたのと違った。
原作はジュゴンに育てられた二人の少年と少女との出会いから
気づけば生命の始まり、宇宙の起源に迫るようなめくるめく
世界が繰り広げられる内容で、全5巻とはいえ2時間で
まとめるのが難しいのは分かってたんだけど、その
まとめ方というか、切り取り方がかなりアクロバティック。

キャラクターの人物像や関係性が丹念に描かれ、ストーリーと
謎が徐々に立ち上がってくる、どこか優しくて繊細な序盤部分
駆け足で終了。代わりに、最終巻で描かれた、脳と視覚が直接
繋げられたような感覚大爆発、一大スペクタクル絵巻「誕生祭」を
後半のメインに持ってくるという大博打。原作を読んでても、一見
何が起きてるのかわからない作りなので、見終えた直後は、正直
素人にはおすすめできないと思った(笑)。でも、時間が経ってみると
あんな無茶な映像を大スクリーンで見られるのは得難い経験なのでは…
と思い直して、逆に得した気持ちになってみたり。ただ、やっぱり
序盤のキャラクターの描き方が薄くて、原作では素朴な可愛らしさが
魅力的な琉花が、映画版では少しきつい性格に見えちゃったのが惜しい。

その一方で、五十嵐先生の繊細かつダイナミックな絵柄、
タッチを忠実に再現しようとする画作りや、海の匂い、
空の眩しさ、雨の重さまで伝わってくるような自然描写は
圧倒的だった。なかでも、海の広さ、深さ、そして怖さをとことん
思い知らせるような海中シーンは、異様な迫力を伴っており
目を逸らしたいのに、目が離せないという、魔力のような
“力”を感じた。細かいストーリーは置いといて、とにかく
膨大な映像美でぶん殴られたいという方には、おすすめします。












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