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積読漫画雪崩式1904

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今月は、かなり濃厚な5冊。
内容が重かったり、難解だったり、しんどかったりで
5冊とはいえ、読むのに時間かかった。でも、それが楽しい。

■清家雪子『月に吠えらんねえ』10巻 講談社
ようやく□街に戻ることができた朔たち。
今後の対策を巡って詩人たちが紛糾する最中、
朔はひとり、白さんと対峙することを決意する。

前巻までで、この世界の成り立ち、要素、謎を一通り
提示してあったので、今巻はそれらを解き明かす展開に
なるのかと思いきや、朔と白の直接対決から生じたのは
これまでをはるかに上回るカオス、そして“詩”そのものだった。

詩とは、詩人とは、何か。ひとりのための純粋な詩を
追求する朔は、みんなのための詩を生み続ける白を
自分の世界から排除することは、最後までできなかった。
でも、ふたりの邂逅は、若く、青く、身勝手で、不完全な
青年期の白を図らずも分離してしまう―。この大人白さんと
青年白さんがソファで並ぶシーンは、乾いた色気があって
思わず見惚れてしまった。その後、情熱と焦燥だけで駆け出す
青年白さんにも、なんかぐっときたなー。ここ数巻は
ロジカルというか、頭で考えすぎる感じが強かったけど
今巻は情熱と初期衝動と訳のわからなさが溢れてて、すごく
好みの展開になってました。さらに後半は官能表現も全開で
ちょっと他人には薦めにくい感じになってるのもまた良し(笑)
その勢いで『月に吠える』ことができたら、綺麗にまとまりそうでは
あるんだけど、そう一筋縄ではいかないのが本作。龍くんと
出会った後も犀の戦地巡りは続き、ミヨシくんの不安は高まり、
朔と白という二人の神を戴いた□街は不穏さを増していく。
近代詩(史)を総括する本作が最後に見せてくれるもの、
最後にたどり着く場所を、今はただ、静かに見守りたい。

■九井諒子『ダンジョン飯』7巻 エンターブレイン
獣人イヅツミが新しくパーティに加わり、最初は
衝突しながらも少しずつまとまっていくライオス一行。
彼女の勘の良さがきっかけとなり、彼らはすべての
始まりの地・黄金の国に呼び込まれるのだった―。
迷宮内でずっと食べてばっかりかと思いきや、密かに
ちゃんと大きなストーリーが進行している本作。今回も
地上では迷宮制圧に向けてエルフが乗り込んできたり
主人公たちは迷宮の核心に迫ったりしてるんだけど、何気に
今巻のメインだったのは、料理人ドワーフ・センシの過去。
飄々としたキャラクターだったのに、実は重い過去を
背負っていたんだなあという感想を抱く一方で、最初から
一切ブレない主人公ライオスの特異性が浮き彫りに。この人
どんな時でも安定してて冷静でマイペースなんだけど
バランスが取れすぎてて逆に狂気に見えるという。
でも、そういうヤバいところも含めて大好きです。

■吾峠呼世晴『鬼滅の刃』15巻 集英社
上弦の肆・半天狗との闘いも、ついに決着。
朝日が昇る直前、首を斬ったはずの半天狗は尚も身体のみで
走り出し、人に襲い掛かる。しかし日陰のない原っぱで
禰豆子を抱える炭治郎は、襲われる人を見殺しにするか
日光に焼かれる禰豆子を置いて助けに向かうかという
重い選択を迫られるのだった―。禰豆子を救うことこそが
炭治郎の原点であり、一番の願いなので、当然彼はなかなか
決断できなかったんだけど、その背中を押したのが
禰豆子その人だったのが、ただ熱くて、切なくて、辛い。
それゆえ、その後の展開が多少ご都合っぽく見えたとしても
断固支持! 後半は柱全員登場して「柱稽古」が始まるけど
その中で義勇と錆兎の過去が語られたのが感慨深い。1巻から
それとなく仄めかされていた二人の関係がようやく…だもんなあ。
でも、そのぶん静かに心に沁みた。そして、いよいよアニメも
今月から放送開始。多少イメージと違う部分はありつつも
かなり力を入れて作っているのが伝わってくる仕上がり。
制作会社に一抹の不安は残りますが、このクオリティで
最後まで作り上げてほしいと願っております。

■諫山創『進撃の巨人』28巻 講談社
エレン率いる「イェーガー派」と名付けられた
反兵団組織は、着実に壁内で勢力を広げつつあった。
各所でかつての仲間たちが衝突する中、ついにミカサと
アルミンはエレンと直接話し合う機会を得るのだが…。
ということで、前巻からずっと重苦しい展開が続くのに
この幼馴染三者鼎談では、さらに苛烈な場面が描かれる。
怒りを隠すことなく、ミカサとアルミンの“弱み”を
とことん抉りまくるエレン。そこにかつての面影はなく
三人の一方的な話し合いは、救いのない物別れに終わる。
まだ完全な真意は見えないけど、正直こんな姿は見たくなかった。
そして、すべてを知るジークとリヴァイの対決も最終局面へ。
二転三転する二人の勝負の結末は、より執着心の強い者の手に。
もう本当に絶望しか残りそうにない、この世界の行く末は何処…。

■北道正幸『プ~ねこ』7巻 講談社
気づけば連載15年という、密かに長寿な猫だらけ
4コマ最新刊。今回はちょっと早めの2年半ぶり刊行。
相変わらず細かい時事ネタと、しばらく考えないと
理解できないネタ満載で、内容だけで言うとかなり
人を選ぶ作風ですが、猫の造型・動きが絶妙で
眺めてるだけでも楽しめる仕様となっております。
というか、猫が可愛いければ、内容はやり逃げでOKじゃん
という強い意志を感じる(笑)。猫以外だと、おそらく
主人公として位置づけられてるモコちゃんと犬飼くんの
関係性も気になるところ。密かに進展したかと思えば
後退してたりしますが、本作の展開や刊行ペースと
同じく、マイペースにのんびり進んでいくといいな。

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