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積読漫画雪崩式1901

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今月は新作含めてこの4冊。
新しい年にふさわしく、ほの明るい未来が感じられて
心があたたかくなるような作品が読めたのは嬉しい。

■高松美咲『スキップとローファー』1巻 講談社
石川県の端の端、海辺の小さな町から、東京の進学校に
入学するため上京してきた岩倉美津未(みつみ)15歳。
T大法学部を主席卒業し、総務省でキャリアを積み、定年後は
地元で市長として活躍する。そんな明確な人生設計がある
彼女は前向きで、しっかり者で、できる女性…だと本人は
思っているけど、周りから見ると勉強以外は危なっかしい
猪突猛進型の天然女子。でもその性格、言動が、少しずつ
周囲に伝播し、都会の同級生たちも和ませていく。

高校1年生、しかも東京の進学校ということで
思春期ならではの腹の探り合いというか、女子間の
序列だとか、胃の痛くなるような展開もあるんだけど
いい意味で言葉の裏を読めず、自分の欲求に素直で
愚直にまっすぐ突き進んでいく主人公がとにかく
愛おしくなる本作。なんていうか、曇りなき眼の
忠犬を見ているような感覚というか(笑)。さらには
彼女の飾らない魅力にいち早く気づいた志摩くんや
村重さん、幼馴染で誰よりも本質を理解してくれている
ふみちゃんなどなど、周りのキャラクターもみんな
優しくて柔らかくて、いい年したおっさん(俺)が
泣きそうになるという。今一押しの青春物です。
彼女たちの高校3年間が、最後まで描かれるといいな。

ちなみに、作者の前作は『カナリアたちの舟』という
ちょっと込み入ったSFで、人を選ぶタイプの作風でした。
デビュー後の第1作目で作者の情念が籠ったマニアックな
作品を描ききった後、多くの人に受け入れられそうな力を
持った作品を出してくるのは、アフタヌーンではよくある
パターンなのかも。ひぐちアサ先生とか木尾士目先生とか。

■吾峠呼世晴『鬼滅の刃』14巻 集英社
今回の表紙は甘露寺さんだけど、ストーリーの中心は
霞柱・時透無一郎の覚醒。上弦の伍・玉壺とひとり対峙し
窮地に追い込まれた彼が見たのは、失ったはずの記憶。
双子の兄・有一郎と過ごした日々だった。鬼殺隊の面々は
大体重い過去を背負っている人が多いけど、無一郎もまた
地獄のような経験を経た人間だった。でも覚醒後の彼は
そんな重さを感じさせないほど、身の動きは軽やかで
口はひたすら悪く(笑)、圧倒的な力量で敵を一蹴。
その強さは清々しささえあった。一方、上弦の肆・半天狗との
総力戦に加わった恋柱・甘露寺蜜璃は、この時代の女性らしい
コンプレックスは抱えつつも、強く美しく愛らしい魅力全開で
戦況を変えていく。ぎりぎりの攻防とはいえ、上弦の陸戦に比べ
まだ安心感があるのは、このふたりのおかげなんだろうなあ。

■紀ノ目『ロジカとラッカセイ』2巻 新潮社
単行本の帯にも書いてあったので、もうぶっちゃけますが
はるか未来、人類滅亡後の地球でゆるく暮らす不思議な
二人組の日常生活第2巻。前巻の終盤で、この世界の
深刻な成り立ちは描かれたけど、2巻では再びいつもの
日常エピソードが積み重ねられていく。それは、普通の
人間であるラッカセイにとって、何気ない日常こそが
大事なものであると言わんばかりに。でも、よくある
成長物語や恋愛物に、なぜか突然ホラー要素を
ぶっこんできたりするから油断ならないのだった。
一方、一番得体が知れないと思ってた「しーさん」が
意外と人情家なのは、なんだかほっこりする。

■桜玉吉『伊豆漫玉ブルース』 KADOKAWA
伊豆漫玉日記』以来、ちょうど2年ぶりとなる新作。
玉吉先生の場合、2年ぶりでも早いなあと思ってしまう。
前作は、東京での漫画喫茶生活と伊豆の山荘暮らし
半々くらいの割合だったけど、今回は完全に伊豆に
軸足を置き、山荘暮らしならではの日々が描かれる。
自分も実家は山の方なので、馴染み深い部分も
多いんだけど、それにしても先生、ムカデに
噛まれすぎじゃね?(笑)。かなり山深いところに
住んでるんだろうなあ。そして相変わらず、還暦が近い
おじさんの他愛ない生活と生態が淡々と描かれてる
だけなのに、なんでこんなに妙な面白さがあるんだろう。
叶うなら、最後の日まで見届けたいものです。

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