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kuro score >>> cross core !!!

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アメリカ・ミズーリ州の田舎町。
ある日、深い山に囲まれた寂れた道路沿いに、3枚の
巨大な立て看板が掲げられる。そこに記されていたのは
地元の警察署長へ宛てた強烈なメッセージ。それは
数カ月前、最愛の娘を殺害されたにも関わらず、いまだに
何の手がかりも見つけられない警察に業を煮やした
母親が広告社に出稿させた怒りの看板だった―。
序盤は、深い悲しみを背負ったまま毅然と権力に
立ち向かう母親、どこか頼りなく事なかれ主義に見える
署長、捜査より弱い者いじめに精を出すその部下という
分かりやすい勧善懲悪ものに見えたのだが、話が進むにつれ
一筋縄ではいかない展開に変わっていく。母親は犯人逮捕を
望むあまりタガが外れ手段を選ばなくなるのに対し、町の人々から
信頼が厚い署長は、その懐の深さを見せ始める。そして重病を
患っていたために思うように捜査に力を入れられなかった
彼が選んだ“ある出来事”をきっかけに、この小さな田舎町に
流れる空気はがらりと変容してしまう。母親は完全に孤立し
彼女の周囲では不穏な事件が続く一方、署長の部下であった
巡査は暴走のあまり職を失ってしまう。だが、常に反目し合っていた
母親と巡査の関係性さえも、終盤、予想外の変化が訪れるのだった。

ということで、閉塞的な町の、悪い意味で田舎らしい濃くて
面倒くさい人間関係の中、陰鬱な出来事が地味に延々と
続くんだけど、なぜかそれほど嫌な気持ちにならないというか
むしろ話に引き込まれていくうちにテンションがちょっと
上がってしまうという不思議な作品だった。一人の人間から
次々といろんな側面が見えてくる面白さもあるし、それを
交えた話の進め方の巧みさも抜群。そして何より、出てくる人が皆
大人のユーモアを備えていたことが一番大きい気がする。署長の
粋な計らいの場面もそうだし、エンディング間際の二人の会話を
見ていると、ぎりぎりの人間を救ってくれるのは、やっぱり
笑いなんじゃないかなあと実感した。あの二人が最終的にどういう
選択をしたのか分からないけれど、限りなく苦笑に近い笑顔で
向かい合って幕を引く姿を夢想する。












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