c r o s s + c o r e

kuro score >>> cross core !!!

shapeofwater.jpg

パシフィック・リム』…ではなく『パンズ・ラビリンス
からの流れを感じる、ギレルモ・デル・トロ監督最新作は
悲恋の『人魚姫』を想起させる、現代版おとぎ話。
1962年、アメリカ。
東西の冷戦が危機的な状況に陥った時代、政府の
航空宇宙研究センターで清掃員として働く女性
イライザ。声を出すことができない彼女の楽しみは
隣人の売れない画家と一緒にミュージカル映画を
見ること。そんな何でもない日常を過ごしていた
ある日、研究センターに奇妙な生き物が運び込まれる。
全身を覆うウロコ、水かき、エラを備えた明らかに異形と
わかる“彼”に、彼女はいつしか特別な感情を抱き始める。

一言で言ってしまえば、半魚人と、声が出せない女性の
恋愛物語なんだけど、一見、突拍子のないその設定を
落ち着いた映像美と、密やかでほの暗い世界観の中で
説得力をもって描き出している。まず何より、下手したら
気持ち悪くなりかねない半魚人の姿が、かなり生々しく
リアルなのに、その立ち振る舞いと、つぶらな瞳から
気性の優しさがうかがわれ、主人公ならずとも思わず
感情移入してしまう。一方、対峙するその主人公女性も
恋心を抱いてからは大胆さと芯の強さを発揮し、どんどん
格好よく見えてくるという。そんなふたりが一番
輝いていたのはやはり、映画館のスクリーン前の邂逅と
バスルームで海の中を再現したシーンだろう。どちらも
そんなことしてる場合じゃねえ(笑)って状況だけど
ふたりにとっては今しかない、刹那的で大事な瞬間
だったんだろうな。どうしても、こういう異類婚姻譚は
悲劇で終わることが多く、本作もそこから逃れられない
運命にありますが、ラストシーンで微かな救いが描かれ
幕を下ろす。あれは願望を込めた妄想に近いものだと
理解したけど、遠い南の海でひょっこり顔を出すふたりの姿を
想像すると、なんだかあたたかい気持ちが溢れてきた。












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://crosscore.blog68.fc2.com/tb.php/1744-6aa4f01c