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kuro score >>> cross core !!!

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今月はなんかね、ぐっとくるエピソードが多かった
気がする。こういう瞬間、展開があるから、漫画を
読み続けているんだろうなと、しみじみ感じた秋の午後。

■吾峠呼世晴『鬼滅の刃』8巻 集英社
夢を司る眠り鬼・魘夢との闘いは予想以上にスピーディに
進行し、炭治郎は傷を負うものの無事撃破。無限列車に
乗り合わせた乗客にも死者は出さず、これにて一件落着と
思われたのだが…。表紙からも分かるように、この巻は
炎柱・煉獄杏寿郎をメインに据えた一冊となっている。
前巻でも、彼の内面に潜む物悲しさが少し顔を出していたが
今巻では彼の思想、人生観、生き様が存分に披瀝される。
そのきっかけとなったのが、突如現れた上弦の鬼・猗窩座。
六人いる上弦の中でも“参”の数字を背負う彼の強さは
圧倒的で、炭治郎では目で追うこともできないレベルだったが
煉獄はその技で、覚悟で、互角の戦いを見せる。その最中、老いや
死から逃れられぬ人間である限り、至高の領域に届かないからと
鬼になることを強いる猗窩座と、老いることも死ぬことも
人間という儚い生き物の美しさだと説く煉獄。力と技だけでなく
思想や価値基準のぶつかり合いとなった戦闘の結末は、重く
厳しいものだった。それでも、煉獄が炭治郎たち後進に遺した
言葉、思い、姿は、眩く気高く美しく、彼らの未来を照らす
ものだったと思う。煉獄杏寿郎。炎のような熱さを保つ一方で
海のような広さと深さ、穏やかさも湛えていた男。彼の存在は
炭治郎たちの心に生き続け、影響を与えていくことになるのだろう。

■堀尾省太『ゴールデンゴールド』3巻 講談社
とうとう犠牲者が出てしまった島へやって来たのは
有能なのか天然なのかよくわからない刑事・酒巻だった。
ということで、島外の人間の視点も入りつつ、主人公周辺は
意外とのんびり進行。フクノカミに振り回されるという
訳のわからん状況に巻き込まれても、案外人間って
こんな風に普通の日常を送ってしまうものなのかもしれない。
ストーリーは、少しずつ核心に迫る刑事と、今回初めて
島の異変を知った主人公・琉花の母親が取った行動が
事態を大きく変えていく予感。あと、今巻で何気に一番
インパクトあったのは、分裂したフクノカミが便座の裏に
びっしりこびりついてたシーン。あれは夢に出てきそう…。

■福満しげゆき『妻に恋する66の方法』3巻 講談社
2巻が出た時も思ったけど、3巻も予想以上に早く刊行。
福満作品でこんなに新刊発行ペースが早いのは初めてかも。
で、内容はもう相変わらずも相変わらずで、何の変哲もない
4人家族の日常をただただ描いているだけなのに、なんで
こんなに面白いんだろう。目玉焼きの上に落ちたじゃがいもを
見に来た妻とか、パンを持って静止している妻とか、ケーキを
頼む時に挙動不審になってる妻とか、言葉で説明しても
意味不明だけど、いちいち可愛くて愛嬌あって面白いという。
もはや何やっても、何描いても無敵な気がしてきた。あとは
幼い息子二人の成長が垣間見えて、少し感慨深くなってみたり。
考えてみたら出産時から漫画で見てるから、他人とは思えないな。

■渡辺保裕『球場三食』3巻 講談社
球場メシ漫画3巻の舞台は、福岡ヤフオク!ドームに始まり
ほっともっとフィールド神戸に、京セラドーム大阪、
さらに鎌ケ谷球場や沖縄セルラースタジアム那覇と
一軍本拠地に囚われず各地を飛び回る。福岡ドーム
京セラドームは行ったことあるけど、野球を見に行った
わけではないので、どちらも球場メシは未経験。竹ちくわとか
牛すじうどんとか食べてみたかったなー。あとは沖縄の
キャンプ地も3カ所ほど回ってるんだけど、この空気感を
感じるだけで、沖縄に行きたくなってしまう。もう
5年くらい行ってないから、そろそろまた行きたいなー。

■藤田和日郎『双亡亭壊すべし』6巻 小学館
前半戦クライマックスと銘打たれた今巻では、双亡亭の
目的の一端が明かされる。水の中でしか長く生きられない
生命体が、人を操ってまで探し求めていたもの。それは
海へと流れ込み、地球そのものを支配するための道筋である
地下水脈を掘り当てることだった。海を押さえられれば
人類は敗北してしまうため、凧葉と能力者たちは決死の
攻防戦へ突入する。屋敷の外側から攻め込む青一&緑朗
パートは、やや説明過剰な部分はあるものの、物語の速度は
増していき、能力者フロルの覚悟でピークを迎えるかと思われたが…。
とにかく、次巻予告が不穏かつ面白いことになりそうで期待大。

■松田奈緒子『重版出来!』10巻 小学館
今巻では、大きく分けて二つのテーマが扱われる。
一つは印刷で使われる書体「フォント」、もう一つは漫画の
実写化について。フォントについては少し知ってるつもり
だったけど、一つの作品のために一から新しいフォントを
作るとか、書体デザイナーという職業があるとか初めて知って
井の中の蛙…と思ってしまった。そして、最近では悪い意味で
話題になりがちな漫画の実写化話。原作者、脚本家、監督、
プロデューサー、出演者。各自がいいものを作ろうと思っても
上手く噛み合わなければ残念な結果を生み出してしまいかねない
舞台裏を生々しくも清々しく描き切ってて、ぐっときてしまった。
現実はここまで上手くはいかないんだろうけど、実際本作の
TVドラマ版は素晴らしい出来映えだったし、努力と情熱と調整を
諦めず最後まで続ければ、奇跡が起きることもあるんだろうな。












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