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ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ監督
最新作。パーティで出会った女性と結婚し、彼女の父親の
会社で働くことで富も地位も手に入れた主人公。だが
ある朝、交通事故で妻を失ったことで、彼は彼女に対する
愛を、そして自分の人生そのものを疑いはじめる。
妻を失ったのに涙ひとつこぼれなかったことで
彼女を愛していなかったのではないかと主人公は
感じるんだけど、そんなことよりまず彼女が亡くなった
病院で彼が最初に取った行動が、自販機でチョコレートを
買うことだった時点で既に何かが狂い始めているように見えた。
しかも、機械の整備不良でチョコが出てこなかったことに
憤慨し、妻を失った自分の境遇を淡々と、かつ長文で
書き綴った苦情の手紙を何通も送り付けるという厄介さ。でも
これがきっかけで、顧客担当係の女性と知り合うことになる。

その一方、「心の修理も車の修理も同じことだ。まず分解しろ」
という義父のたとえ話に天啓を得たかのように、彼は家の
冷蔵庫から会社のPCまで、なんでもかんでも分解し始める。
この分解&破壊行動と、シングルマザーだった顧客担当係の女性、
そして彼女の息子との交流が、シームレスにつながり流れていく
一見わけのわからない展開が続く。でも、このわけのわからなさこそ
人の心の不可解さそのものという感じがした。自分でも妻を
愛していたのかいなかったのか、彼女がいなくなって悲しいのか
悲しくないのかはっきりとはわからない。それでも、記憶の淵に
浮かぶ彼女の姿は美しく、儚く、切ない。彼女への想いを安易に
まとめたり、完結させたくはない。そんな不器用な男が最後に
見せた表情と、過去から解放され駆け抜けていく姿の清々しさは
この先ずっと、忘れることはできないだろう。












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