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kuro score >>> cross core !!!

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今年は1月にして、既に年間ベスト級の作品が出ました。
連載中からずっといいなと思ってたけど、単行本になって
まとめて読むとなお良い。いい漫画読むと幸せになるね。

■熊倉献『春と盆暗』 講談社
妄想癖(のようなもの)を抱えた女子と、冴えない
男子が出会う、ボーイ・ミーツ・ガール連作短編集。
収録された4話すべて、恋愛関係に届く一歩手前の
もどかしくも胸が少しだけ弾んでしまう瞬間が描かれる。

掲載誌の『アフタヌーン』で第1話を読んですぐ単行本化を
待ち望むくらい個人的ツボにハマった本作。短期集中連載で
たった4話で終わってしまったことだけが残念だけど、とにかく
すべてのエピソード、登場人物が、絶妙にゆるくてズレてて
真正直で愛おしい。出てくるのは、接客中のイライラを
月面に道路標識を放り投げる妄想で抑え込むサヤマさんに
背の低さから町が水中に沈んだ光景を思い描く四谷さん、
恐竜とサボテンを語りだすと止まらないさわ姉、そして
うれしくなるとつい人を殴ってしまう甘党の大友さん。
テンションの違いはあれど、みんな見事にマイペースで
そんな彼女たちに振り回されつつも魅かれていくボンクラ
男子たちの気持ちにじわり共感してしまう。気づけば何度でも
読み返したくなるので、ずっと手元に置いておきたい一冊。
ちなみに、第1話はココから読めます。興味のある方はぜひ。
第1話「月面と眼窩」
■堀尾省太『ゴールデンゴールド』2巻 講談社
瀬戸内海に浮かぶ架空の島を舞台にした民話系ホラー
第2巻。1巻紹介時にはボカしましたが、主人公・琉花が
海岸で拾ってきた“フクノカミ”がじわじわと動き出し
小さな島は風雲急を告げる。その中心にいるのは琉花の祖母。
金回りが良くなった彼女は、自らが経営する小さな商店を
コンビニに変え、島を経済的に強化する会を立ち上げ、
スーパーマーケットまで新規に作り上げようと画策する。
そんな彼女を支持する者と反発する者に島は二分され
諍いが起こり、やがて犠牲者まで出る事態に…。もう着々と
バッドエンドへ向けて走り出してる感じですが、祖母の
異変に気づいた琉花がこれからどう立ち回るか次第で
流れも変わるのかな。あと、偶々居合わせた後ずっと
島に残り続けてる作家先生の存在も鍵になるのかも。

■藤田和日郎『双亡亭壊すべし』3巻 小学館
爆撃でも壊せない双亡亭の謎の一端が、ようやく少し
見えてきた第3巻。前巻で出てきたキャラクターたちが
次々双亡亭の犠牲になる中、その罠に嵌らなかったのが
唯一凡人っぽい主人公・凧葉務だった。その一方
国会議事堂に向かった凧葉青一は、双亡亭に飾られる
肖像画の秘密を語り出す。政府関係者に続いて歴代の
総理経験者が出てきたりと、話が大仰になりすぎる
きらいはありますが、外連味溢れるアクションも増え
いい感じに盛り上がってきた。何より、青一の過去は
一番気になるところなので、次巻の展開に期待。

■新久千映『ワカコ酒』8巻 徳間書店
初っ端から見覚えのあるお店の風景が出てきて噴いた(笑)
あの店しばらく行ってないけど、まだ「おさかな天国」
流してるのかな。『源蔵』(作中では『原三』)の
つぶ貝も分かりすぎる。あとはエキニシの店舗も多くて
あの店この店あんな店などなど頻出。なんだか
どんどん広島率上がってるような。そして極めつけは
毎年行われる西条酒まつりがスペシャル回で登場。
有料で全国の地酒が飲み放題の酒ひろばではなく
酒蔵めぐりに向かうワカコには共感しかない。見慣れた
というか、もはや見飽きた(笑)竹酒の風景も、あらためて
漫画で描かれると楽しいな。また、今年も行こうっと。

■桜玉吉『伊豆漫玉日記』 KADOKAWA
昨年11月末に『日々我人間』が発売されたばかりなのに
またしても玉吉先生の新作が刊行。盆と正月が一緒に
来るやつや。内容は東京での漫画喫茶生活と、伊豆の
山荘暮らしをゆるゆると描くという、『日々我人間』と
変わらないものなんだけど、玉吉先生の生存が分かる
だけでも最早ありがたい。ただ、週刊文春掲載ということで
ほんの少しだけ気合入れて描いてるように感じられる
『日々我人間』に比べると、こっちはホームの
コミックビーム連載なので、ゆるさ増し増し仕様。
絵や描線もかなりラフだけど、それも“味”と思えるのは
ファンだからなのかなー。でも、何年かに一度は
こういう形で近況が分かると嬉しい。地味に待ってます。












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