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新刊漫画覚書1505

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先月に引き続いて、今月も新刊大量発行。
月末はいろいろ用事があって全部読んでる暇が
なかったので、何冊かは来月に回します。

■市川春子『宝石の国』4巻 講談社
あの厳しく辛い冬が終わり、春を迎えた世界。
再び仲間との賑やかな日々が始まるが、以前とは違い
一人思い悩むシーンが増えるフォス。奪われた仲間を
取り戻すため、新しい取り組みを実践した矢先、
今までに見たことのない月人と遭遇する。
3巻のシリアスさから一転、ゆるい日常から幕を
開ける本巻。先生に高い高いされるジェードとか
無駄に萌える。新しく登場した敵も、圧倒的な強さを
見せつけながら、結果として脱力する展開だし(笑)。
ただ、その一方で金剛先生の謎というか、不審さも
明らかになっていく。先生であり、親であり、仲間
全員から愛される彼の謎を探るべく、フォスは再度
一人で行動することを選ぶ。たとえその結末が
悲劇であったとしても、前に進むしかない。悲壮な
決意を見せるフォスの表情からは、もはや以前のような
笑顔が一切見られなくなったのが、切なく悲しい。
あと、初回限定の特装版には『ラブレター』という
カードゲームをもとに作成された特製カード付。46枚の
カードはすべてホログラム加工で、キラキラしてます。

■岩明均『ヒストリエ』9巻 講談社
予想通り、前巻から約2年ぶりの新刊登場。
このペースだと、最終巻まで何年かかるんだろう…。
でも、この刊行の遅さが今回ある奇跡を起こす。
アテネの将軍・フォーキオンを失脚させるという
密命を帯びてアテネに潜り込んだエウメネス一行。
フォーキオンに贈り物を持っていく→断られる→
懲りずに翌日再訪→また断られるという流れを
延々繰り返すだけの地味というか、何も起きない
展開なのに、なぜかぐいぐい惹き込まれるのが
岩明先生クオリティ。飄々としつつ、いろんな一面を
見せるキャラクターと、話の運び方がとにかく絶妙。
それを思い知るのが、フォーキオンの友人でピレウス
在住メランティオスとの邂逅。実は、彼はエウメネスと
縁のある人物で、十年ぶりの再会を果たす。この
エピソード自体、胸に迫るものがあるんだけど、劇中
だけでなくて、彼との別離が描かれた2005年から実際にも
十年経っていたという。いろんな意味で泣ける一冊。

■沙村広明『波よ聞いてくれ』1巻 講談社
最近意外と多作な沙村先生最新作は、北海道の
ラジオ局が舞台…になるはずが、今のところラジオの
話はあまり進んでおりません。いつもの後先考えない
直情型女子が主人公で、勢いとノリの良さだけで
突っ走り、話があさっての方向に飛んでいって
帰ってこないスラップスティックコメディ。作者自ら
「人の死なない漫画」と明言しているので、安心して
読める(笑)。ストーリー的にはまだ何も始まってませんが
既に無駄に面白いから、次巻以降もひたすら期待。

■沙村広明『ベアゲルター』2巻 講談社
『波よ聞いてくれ』が表沙村なら、こっちは裏沙村。
いや、沙村先生的には、こっちが表かもしれない。
1巻序盤の重さ、グロさから比べるとかなり読みやすく
エンタメ方向に振ってきた印象。話のベースは
ヘヴィなんだけど、主人公の軽さ&ゆるさがほどよく
緩和してくれる。加えて、1巻でばら撒いた謎も少しずつ
きっちりと解き明かしていくので、単純に読んでて
面白い。スリル・アクション・サスペンスをご丁寧に
詰め込んだ、代表作になるかもしれない一作。

■三宅乱丈『イムリ』17巻 エンターブレイン
カーマの基地へ乗り込むも、罠にはまり次々と仲間を
失うデュルクたち。そのせいで、イムリ同士の絆が
綻び、互いに不信感を募らせることに。もはや
どっち向いても不信、裏切り、騙し合いの連続という
救いのない状況。さらに後半はイムリの道具の説明で
これがややこしくて今のところ読み流している状態(笑)。
読み進めるのが大変になってきましたが、そろそろ
大きな動きがありそうなので、楽しみにしてます。

■冲方丁・作/槇えびし・画『天地明察』8巻 講談社
すべてを懸けて臨んだはずだった改暦事業。だが、
蝕の予報を外し窮地に立たされてしまう。向かうべき
道を見失い、茫然と立ちすくむ主人公の前に、燦然と
二人の人物が現れる。一人はかつての想い人・えん。
そしてもう一人は、その才能に憧れる一方で畏怖した
関孝和。彼との初対面は、烈しく辛く厳しいものと
なったが、彼の真意を知り、想いを託されることで
主人公は再び立ち上がる。そこから迷うことなく
突き進む展開は、見ているだけでわくわくするけれど
おこと派としては唯一、えんさんとあっさり仲良く
してるシーンだけ納得いかなかったり(笑)。それは
ともかく、次巻でとうとう完結とのこと。なんだか
寂しいけど、素敵な結末を見届けたい。

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