c r o s s + c o r e

kuro score >>> cross core !!!

comics1501.jpg

年の初めにふさわしく、今月は第1巻が大半。
それに初連載作や、初スピンオフなど新しい挑戦を
始めている作家さんが多いので、密かに応援したい。

■九井諒子『ダンジョン飯』1巻 エンターブレイン
竜の学校は山の上』、『竜のかわいい七つの子』、
そして『ひきだしにテラリウム』と次々に名短編集を
生み出してきた九井先生初の長編作品が登場。舞台は
黄金の国が地下深くに眠ると言われるダンジョン。
主人公の戦士率いるパーティは最下層近くで遭遇した
レッドドラゴンとの戦いで全滅直前に脱出。しかし
仲間の一人である戦士の妹がドラゴンに食われたため
彼女を救うべく、再びダンジョンを目指すことに…。
あらすじだけ書き出すと、シリアスな物語かと勘違い
するけれど、実際はかなりゆるめの脱力ファンタジー。
妹が消化される前に急いで救うには時間も金もないからと
「食糧の自給自足=魔物食」を提案するところから話は
おかしな方向へ。魔物フェチが高じて、前から魔物を
食べてみたかっただけの戦士ライオスの暴走に加え
魔物料理に詳しいドワーフのセンシが仲間に入ったことで
一転、モンスターグルメ漫画へと早変わり。大サソリと
歩き茸の水炊きだの、マンドレイクとバジリスクの
オムレツだの、魔物の生態から味、調理方法までを事細かに
描き出す謎展開(笑)。飯のことしか考えてないライオス&
センシコンビに対し、適時ツッコミを入れる魔法使いの
マルシルと鍵師チルチャックというキャラクターバランスも
絶妙。というか、常識人なのに体を張って痛い目に遭ってる
マルシルが不憫かわいい。そして、初の長編ということで
気負った作品になるかと思いきや、これほどボケっぱなしの
ギャグ作品にしてしまう九井先生おそるべし。続きも楽しみ。

■黒田硫黄『アップルシードα』1巻 講談社
『攻殻機動隊』と並ぶ士郎正宗の代表作『アップルシード』が
舞台を変えて映画化。それに先駆け、スピンオフ漫画の
作者に選ばれたのが、まさかの黒田硫黄! 筆書きゆえに
和風っぽく見えてしまう作風と士郎作品って違和感半端ねえ
と思ってたのに、実際読んでみたら何このしっくり感。
ある意味、士郎作品であることを忘れるくらい完全に
黒田作品に昇華されている。とにかく、キャラクターが
いちいち濃ゆいし、画面真っ黒に描きこまれた猥雑な世界は
近未来というよりむしろ、浪花ディストピアという風情。
そして何よりエンターテインメントとして、きちんと
面白いというのが正しく素晴らしい。こういうスピンオフ
作品って原作を超えることは滅多にないけど、本作には
原作とはまた違った高みを期待してしまう。

■芦奈野ひとし『コトノバドライブ』1巻 講談社
芦奈野先生の新作も、ようやく登場。
前作『カブのイサキ』がちょっと強引な終わり方で
不安があったけど、蓋を開けてみたら今までと変わらない
ゆったりとした雰囲気が保たれていたから、ほっとした。
パスタ屋…ではなく、スパゲティー屋さんでバイトする
バイク乗りの女性が主人公。彼女が送る日常に、少しだけ
不思議な現象が混じってくる。それは民話というか
怪談に近いテイストがあり、ちょっぴり背筋が寒くなる。
デビュー作『ヨコハマ買い出し紀行』がSFで、前作
『カブのイサキ』もそのSF要素を受け継ぎつつ、終盤
ホラーっぽさが垣間見えた流れをさらに進めたと言える
白昼夢ファンタジー。眺めてるだけで心地よくなる印象も
通底しているから、このままマイペースで続けてほしい。

■石川雅之『純潔のマリア exhibition』 講談社
3巻で完結した作品のアナザーストーリー。
本編の前日譚や後日譚が中心なので、本編を読んでないと
少し分かりにくいかもしれない。主人公のマリアも
今回は主役を引いて脇役に回り、他のキャラクター中心に
話は進む。そのせいか、本編のようなピリピリした
緊張感はなく、穏やかな気持ちで読了。特に、最後に
収録された後日譚は、本編を読み終えた読者にとって
心が軽く、そして温かくなれるお話でした。今月から
アニメも始まってるので、本編もアニメもひと通り
見終えてから読むことをおすすめします。












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://crosscore.blog68.fc2.com/tb.php/1409-49819fae