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kuro score >>> cross core !!!

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今年は比較的、新しい作品が多めかな。集めてる数が
増えすぎて家の中がもう大変だけど、どうしても本の形で
読みたいから、電子書籍には未だに踏み出せずにいる。

1位:五十嵐大介『ディザインズ』1巻
可愛らしさとおぞましさが同居するファンタジーを
描いてきた五十嵐先生がたどり着いたのは、ハードSFの
極北だった。人間の頭とヒョウの身体を組み合わせた
ヒューマナイズド・アニマル(人化された動物)の
美しくもゾッとする造型や、噎せ返るような空気まで
感じる風景など、五十嵐カラー炸裂の本作。まだ物語は
始まったばかりで全貌はつかめないけど、冒頭から静かに
血と硝煙が漂ってくる世界に魅了された。カエルのHAである
主人公クーベルチュールの神秘的な可愛らしさも絶妙。
連載はスローペースだけど、完結まできっちり見届けたい。

2位:施川ユウキ『ヨルとネル
身長11cmのこびと姿になった少年ふたりの逃走劇。
いつもの施川作品らしい言葉遊び系四コマ漫画にしては
最初からどこか不穏な空気が流れているなとは思ったけど
まさかああいう結末に向かって進んでいるとは…。終盤、
ヨルの告白以降は、ただ茫然とページをめくることしか
できなかった。ふたりが逃げ続け、目指していた場所。
そのことを思うと、胸に穴が開いたような感覚を覚える。
こんなほのぼのした絵柄で、これほどの喪失感を
与えられるなんて、もはや詐欺じゃないか。ずるい。

3位:清家雪子『月に吠えらんねえ』5・6巻
もう毎年ランクに入れてる本作ですが、巻を増すごとに
精神をぶん殴ってくる勢いが強まってきているような。
6巻のじりじり追い込んでくる展開もしんどかったけど
白眉はやはり、日本の近代詩とは何だったのかという問いに
踏み込むため、戦争詩まで含めて総括した5巻 第二十六話
「純正詩論」だろう。この作品がどこから来て、どこへ向かうのか。
その一端が垣間見えた瞬間。結末は近いのかもしれないが、
その時が来たら目を逸らさず、正面から見据えたい。

4位:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』1~3巻
まさかこの年になって、毎週ジャンプが楽しみになる日が
来ようとは。ジョジョの第5部が盛り上がってた時以来かも。
それくらい今一番熱い少年漫画だと思う。とにかく主人公の兄妹が
今時珍しいくらい真っ直ぐで、心が汚れたおっさん読者でさえ
素直に応援したくなる尊さ。そこに加えて、3巻以降は濃くて
騒々しい味方キャラクターも増え、主人公の真面目さは天然さに
反転し、訳のわからない面白さと勢いが加速。来年には
ジョジョから連綿と続くジャンプ裏看板の座に着くと確信してる。

5位:堀尾省太『ゴールデンゴールド』1巻
刻刻』に続き、一言では説明しづらい作品を描く
堀尾先生最新作。海岸で拾ってきた置物が福の神となって
リアルに動き出し、次々とご利益を授けるギャグ漫画…
と思わせてからの、人間の欲望が暴走してゆく民話系ホラーへ
真っ逆さま。先が読めないけど、間違いなくバッドエンドに
向かってることだけは分かってしまう不穏作。あと瀬戸内海の
島が舞台なので、ちょこちょこ広島ローカルネタが出てきて楽しい。