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kuro score >>> cross core !!!

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先月も新刊多いと思ったけど、今月はさらに多い。
その上、やたら内容が濃い作品もあったから、読むのに
時間かかった。というか、まだ消化しきれてない気が。

■清家雪子『月に吠えらんねえ』1巻 講談社
おそらく、今年一番の問題作。
詩人、歌人、俳人が暮らす架空の街・近代□(詩歌句)街
を舞台に、変わり者揃いの住人の人間模様が描かれる
近代文学ファンタジー。…などというあらすじが空虚に
聞こえるほどの怪作。まず、萩原朔太郎や北原白秋、
室生犀星といった作家本人ではなく、作品から受ける
イメージを擬人化しているから、基本的に狂人しか
出てこないという。もうみんな初っ端から壊れてて
心の奥の一番敏感で弱い部分をむき出しにしたまま
ぶつかり、傷つけ合い、荒ぶっているんだけど、病んで
狂っているからこそ、純粋な創作が可能になるという
事実を身をもって示している訳で。作家や創作の持つ
業の深さをこれほど分かりやすく、かつ容赦なく
見せつけてくれる作品は、これまでになかったのでは。
収録されてるのはたった四話なのに、なぜか260頁もあり
4頁に渡る参考文献一覧には作品全集から研究論文まで
みっちみちに詰まってて、とにかくすべてが過剰。
この勢いがどこまで続くか不安もありますが、とことん
描き尽くしてほしいです。しかし、この作者は前作
『まじめな時間』といい、『秒速5センチメートル』の
コミカライズといい、優しく繊細な世界ばかり描いてきた
印象があるけど、猫かぶってたとしか思えないな(笑)。