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kuro score >>> cross core !!!

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漫画に関しては毎回、今年以上の豊作はないだろうと
思うのに、余裕で上回ってくるな。特に今年は
連載が始まったばかりの作品と、短編集のレベルが
高かった印象。来年も良い作品に出会えるといいな。

1位:福満しげゆき『就職難!! ゾンビ取りガール』1巻
初出の「日本のアルバイト」から実に10年。
福満先生のゾンビ漫画の集大成が、本作。街に
ゾンビが溢れてても、なんとなくゆるく過ぎていく
日常から一転、怒涛のアクション活劇へと展開する。
何が素晴らしいって、福満作品でお馴染みの冴えない
青年が、巨大虫取り網みたいな捕獲道具を使ってゾンビを
捕らえるだけの話で、まさかこんなに手に汗握るとは
思わなかったんだよ! どの漫画賞にもランキングにも
引っかからないだろうけど、断固支持。ところで、今夏に
連載再開っていう話はどうなったんですか。もう年末だよ!

2位:庄司創『三文未来の家庭訪問
実質デビュー作となる、庄司創短編集。
地味ながらどこか懐かしい絵柄で描かれる王道SF。
収録されている三編とも、壮大なのに親近感を覚える
名作ばかりですが、個人的には表題作が一番ツボに
はまった。遺伝子操作で子供が産めるようになった
少年という特異な主人公が、終盤には何の違和感もない
自然な姿に見えるという物語の構成力、説得力に感服。

3位:九井諒子『ひきだしにテラリウム
200ページ超の本に33篇収録したショートショート集。
短編が得意な作家さんだとは思ってたけど、本作で
まさに本領発揮。絵柄も作風もくるくる変えて、ありと
あらゆる方向からネタを引き出し、次々放り投げる(笑)。
一見、体温低そうなキャラクターばかりだけど、話の
終わりには人間味溢れる姿が滲み出てるのが、なんだか
愛おしい。毎晩眠る前に数篇ずつ読むのがおすすめ。

4位:市川春子『宝石の国』1巻
個人的に、九井先生以上の短編の名手と思っている
市川先生最新作は、ファンタジー寄りのSF長編。
宝石の身体を持つ主人公たちと、その身体を狙う
月人との戦いが主軸だが、不死の身体を持ちつつも
常に劣等感や欠落感を抱える主人公たちの葛藤が
メインテーマのような気がする。まだ1巻で始まった
ばかりなのに、切ない終焉を予感して、震えてる。

5位:荒木飛呂彦『岸辺露伴は動かない
『ジョジョの奇妙な冒険』スピンオフシリーズは
第4部の岸辺露伴が主人公。ジョジョのスタンドバトル
とは異なり、ホラー色の濃い連作短編集となってます。
ほぼ好奇心だけを原動力に行動し、ひたすらトラブルに
巻き込まれるけど、どこかそんな状況も楽しんでしまえる
露伴先生が素敵。SBR以降の写実的な絵柄もカッコいい。