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kuro score >>> cross core !!!

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前巻から実に3年ぶり、『海獣の子供』最新巻にして
最終巻が登場。毎回きっちり夏に刊行してくれるけど
読んでみたら、これはもう夏に読むしかないと納得する
出来映え。そういえば、この作品をきっかけにして
水族館まで行ったなあ。あれは夏の終わり頃だったけど。

物語はいよいよ「本番」を迎え、世界が開く。
4巻がやや理詰めで進んでいたのに対し、最終巻となる
今巻は感覚だけを大解放して描ききったかのような
めくるめく怒涛の展開。150ページ近くをほぼセリフなく
見渡す限り魚群魚群魚群で埋め尽くす。まさしく
「Don't think. FEEL!」の領域。いきいきとしつつも
どこか不穏で怖さも感じる圧倒的な魚の群を見ていると
頭の奥がじーんと痺れてくる。漫画表現とはどうあるものか
みたいなことは脇に置いておいて、とにかく今、作者が
描きたいものをとことん追求して描き尽くしたんだろうな。
最早、読んでいるというより、体感しているといった方が
近い感覚。それだけビジュアルが素晴らしいだけに
もう少し大きいサイズで見たかったな、という欲求を
見計らったように、初の画集も同時刊行。デビュー作
『はなしっぱなし』以降の作品を含めているので、本作の
イラストは一部ですが、大きいとやっぱり見ごたえある。
あと、松本大洋氏始め、荒川弘さんや羽海野チカせんせとの
対談も収録。なかでも、写真家・石川直樹氏との対談が
興味深くて面白かった。フィールドワークで外に向かって
世界を知ろうとする人と、想像力で内側に向かって
世界に触れようとする人。どこか、本作のテーマである
「宇宙と人間が似てる」という話を思い出させる対談でした。

■五十嵐大介『海獣の子供』5巻 小学館
■五十嵐大介画集『海獣とタマシイ』 小学館