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kuro score >>> cross core !!!

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綿矢りさ原作小説の映画化。
東京の会社で経理として勤めるヨシカは、20代半ばにして
恋愛経験がなかったが、中学の時から想いを寄せている
同級生・イチ(一宮)との脳内恋愛で十分事足りていた…
はずだった。でも、同じ会社の営業・ニ(霧島)から
告白されたことで、彼女の想いに変化が起き始める。
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正月早々完結する作品もあって、ちょっと寂しかったり。
その代わりに、今年は新しい作品にもちょこちょこ
手を出していこうかなと思ったり思わなかったりしてます。

■木村紺『巨娘』5巻 講談社
ここ最近ハイペースで新刊出しまくってて、なんだか
生き急いでるみたいだと思ってた巨娘が、5巻で本当に
完結してしまうという。4巻が出た時に、このまま連載が
長く続いてほしいと書いたばかりなのに…。
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2017年の積み残しは6冊と、例年より少なめ。
でも今年の年末年始の休みは短かったので、あまり
のんびり読んでる暇なかった。あたしゃも少し休みがほしい。
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今年はあまり新しい作品を開拓できず、続刊物が中心。
Web漫画なら『青のフラッグ』や『映画大好きポンポさん』、
『彼方のアストラ』あたりが面白かったし、漫画喫茶で
一気読みした『ゴールデンカムイ』も良かったけど、
自腹で購入した作品のみランキングの対象にするという
マイルールで毎年やっているので、今年はこれで確定です。

1位:吾峠呼世晴『鬼滅の刃』8巻
個人的に、今年はやっぱり鬼滅の一年だった。
昨年は打ち切りに怯えてたと思えないほど、今年に入って完全に
化けた感。純粋石頭主人公・竈門炭治郎に、弱腰&狂気つっこみ
我妻善逸、天然猪頭・嘴平伊之助を加えた同期凹凸トリオの完成。
さらに、初見では全員狂人に見えた鬼殺隊最高位の9人「柱」は
そのバックボーンが明らかになるにつれ、背負っているものの
重さと懐の深さ、愛すべき人間性が滲み出てきて、みんな
好きになってしまうという。意外といじられ役だが背中で語る
冨岡義勇、笑顔の奥に悲哀を秘める胡蝶しのぶ。そして
人間の尊さを説き、後進にその生き様を焼きつけたまま散った
煉獄杏寿郎。熱く愛おしく心震える少年漫画が、今、ここにある。

2位:市川春子『宝石の国』8巻
これほど長い連載になるとは思ってなかった本作ですが
8巻にして大転換期を迎える。月人に襲われるという状況は
ありつつも、どこか最後の楽園感が漂っていた世界が
一転、薄氷の上に成り立っていたことを思い知らされる。
そのきっかけとなったのが、まさしく敵対していた
月人自身の告白によるものだったという皮肉。ここにきて
短編時代の市川先生を彷彿させる、切なくも救いのない描写が
炸裂し、心がしんどくなる一方で、これこそ求めていたものだ!と
どきどきする感情を抑えられない、このアンビバレンツ。宝石たちの
ことを思うと悩ましいけど、もうとことんまで描ききってほしい。

3位:熊倉献『春と盆暗
妄想女子と冴えない男子が出会う、ボーイ・ミーツ・
ガール連作短編集。1巻完結でたった4話だけなんだけど
ここには恋愛一歩手前の戸惑いや、ちぐはぐな言動、
掴んだと思った瞬間すり抜けてしまった想いなどが
ぎゅっと詰まっている。そこに、道路標識が何本も刺さった
月面や、水中に沈む中央線、粉砂糖の粉塵爆発で広がる
終末世界といった妄想が重なり、なんだかよくわからない
ゆるさと心地よさと愛おしさが漂う、不思議な読後感の一冊。
何度読み返しても、じわじわとあたたかい気持ちになれます。

4位:福満しげゆき『中2の男子と第6感』4巻
こちらは中2男子の妄想が暴発した物語の最終巻。
いじめられっ子が女子高校生のイマジナリーフレンドを
生み出し、気づけばリアルの女子高校生とも仲良くなるという
これこそ真のボンクラ妄想漫画だったはずなのに、最終巻では
さらに“その先”を描くことに。それは、いじめっ子と対峙し
堂々と対決するだけでなく、主人公の成長にも踏み込む展開へ。
この、主人公が成長するという当たり前のことが、福満作品を
ずっと読み続けてきた者にとってどれだけ衝撃で、感動的だったか。
捨てキャラだった通り魔青年でさえ真っ当な人生を歩み、中2は天寿を
全うする。そして孫娘へ…。この巻だけで妙な大河感を味わえる奇作。

5位:五十嵐大介『ウムヴェルト
10年間で描かれた全10編の短編を収録した作品集。
どれも現代的で現実的な世界に、少しファンタジー要素が
混ざり込んできたようなストーリーが繰り広げられる。
愛らしい人物以上に、背後に描かれる濃密な自然の方が
より雄弁なのは、この作者らしくて素敵。その中でも
ディザインズ』の前日譚となる「ウムヴェルト」は唯一
SF色が強い異色作だったことがわかる。この一編だけは、
背景やストーリー以上に主人公のカエル少女の魅力に
満ち溢れてて、彼女の一挙手一投足に、ただ目を奪われる。
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邦画大豊作だった昨年から一転、今年見た日本映画は
結局一本だけだった。自分でもちょっと極端すぎると
思うので、来年はほどよいバランスで見に行きたいなー。

1位:雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
今年見た映画の中で一番心に残っているシーンって
なんだろうと考えてたら、この作品が浮かび上がってきた。
妻を失って以降、身の回りのものを手当たり次第分解し始める
というストーリー自体、あまり一般受けしにくいというか
わからないものをわからないまま描き出している感じで
人を選ぶ作品ではあるんだけど、なぜだか妙に印象に残って
忘れることができない。なかでも終盤、セピアがかった海沿いで
少年たちと駆け出すシーンは、懐かしさと切なさと解放感が
混ざり合って、自分でも不思議なくらいぐっときてしまった。
そこにあったのは、たぶん感動でも共感でもなく。映画という
表現そのものが持つ美しさであり、儚さであったのだと思う。

2位:ギフテッド
数学に関して天才的な才能を持つ少女をめぐって家族間で
対立してしまうストーリーは、1位にした作品よりはるかに
わかりやすく、入り込みやすい。でも、この作品でも一番
心に沁みたのは、何気ない海辺のワンシーン。そんなに優れた
才能があるとは思えないくらい無邪気に波打ち際で遊ぶ少女と
パラソルの下、眩い陽光に顔をしかめて佇む叔父と猫。
その一瞬の煌めきは、あまりに美しくかけがえのないもので
幸せってこういうことなのかもしれないと本気で思った。

3位:ダンケルク
第二次大戦下、フランス・ダンケルクでの戦いを緻密に
描く本作は、戦争映画でありながら生々しさは抑えめで
重厚さや品の良さを感じさせる異色作。そして、この作品でも
海岸線でのシーンが強く印象に残ることとなった。
曇り空の下、どこまでも続く白い砂浜、スピットファイアに
乗り込んだパイロット目線で広がる青くくすんだ海原。
そこに降り注ぐのは銃弾や爆撃なんだけど、思わず
美しいと感じてしまう自分がいた。いろいろと罪深い一作。

4位:ハクソー・リッジ
ダンケルクと同じ第二次大戦下のストーリーであり
沖縄戦を舞台にしているため海岸も近いはずだが
そこで繰り広げられるのは真逆で、血と銃弾どころか
頭や腸も飛び交う凄惨さを極めた本作。だがそんな
容赦のない世界だからこそ、戦場でさえ武器を持たない
主人公の異質さが鮮明に。そして何より一番の衝撃は
これが実話を基にした物語だということ。少し目眩がした。

5位:新感染 ファイナル・エクスプレス
韓国映画×ゾンビ映画という濃い組み合わせで生まれたのは
思っていた以上の大混戦・スピード・超アクション大作という
内容に加え、予想外の社会派ヒューマニズム感動巨編だった。
なんかもう、いろんな要素詰め込みまくりなのに統一感があるし
話が進めば進むほどキャラクターも一人ひとり立ってくるしで
息つく暇もなくラストまで持っていかれた。ただただ、快作。